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ジャンプ読み切り「阿佐ヶ谷芸術高校映像科へようこそ」がすごい!感想&名言まとめ

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阿佐ヶ谷芸術高校映像科へようこそアイキャッチ

2017年1月30日発売のジャンプに読み切りで掲載された「阿佐ヶ谷芸術高校映像科へようこそ」を読んで、衝動的にブログを書き始めた苦労詐欺だ。
調べてみたら話題になっているみたいで、読んだ僕自身も心を揺さぶられるような感覚になった。

正直これが掲載される前の号でこのタイトルを見たときに、

「鹿高競技ダンス部へようこそ」(「背筋をピン!と」のサブタイトル)のパクリかな?

とかちょっと馬鹿にしたような感じだった。
読んでみたら絵も内容もよくて物語に吸い込まれていたよ。

阿佐ヶ谷芸術高校映像科へようこその内容について

内容について

主人公である柊雪が「阿佐ヶ谷芸術高校映像科」に入学するところから物語が始まる。
冒頭は入学する10年前から始まるんだけど、これがなかなかヘビーな冒頭だった。

雪の母親が男を連れて帰ってくるのだが、相手には「独身だ」と言っているらしく、買ってきた映画のDVDを渡しては「部屋から出ないでね」とクズ発言。
幼い頃から映画を見てきた雪は「この学校に入学すれば自分がどうしたのかが見えてくるんじゃないか」という漠然とした思いで入学する。

教師として現れた黒山墨字は「お前らはこんな時代に学校に何しに来た!?」と教師からぬ発言を連発。
そんな黒山に向かって「私を弟子にしてください」と言い出す雪。

この時点でハチャメチャな展開なのに物語に引き込まれてたよ(;´Д`)
このあと、SF映画好きのメガネ少年山田と女優だが撮る側に興味を持って入学してきた市子と班を組んで映画を撮ってくるよう課題を出される。

山田も市子も撮りたいものがあると話している中、雪には撮りたいものが浮かばないのだった。
そんな帰り道、小さな映画館の前で雪は黒山と遭遇してしまう。

その映画館では黒山の作品が上映されていて、雪は黒山と共にこの映画を見て黒山の自由な作品に心が惹かれていく。
その後連れて行かれた飲み屋で一幕あり、雪は家に帰ってきて映画の原稿を書こうとするが、結局一文字も書けないのだった。

次の日周りの同級生が各々で書いた映画の原稿を黒山に提出していく中、雪はなんと原稿を白紙で提出した。
これを見た黒山はなぜか雪を褒めて、更にその日入っていたCMの仕事場に雪を連れて行く。

黒山はCMの撮影現場でプロデューサーと喧嘩し始め、雪を代役に立てるが、雪は迫ってくるプロデューサーをふっ飛ばしてしまう。
どこか吹っ切れた雪はその日の夜にとある映画を撮影し、次の日クラスでその映画を上映するのだった。

どんな映画を撮ったのかは実際に漫画を読んでみてね。

原作:ストキンPro準キングマツキタツヤ&漫画:宇佐崎しろ

ストキンPro

原作はストキンProという作画がすごい人に送られる賞で準キングに選ばれたマツキタツヤさん。
漫画は宇佐崎しろさんという全くの無名の新人さん。

全体的にストーリーがすごくて引き込まれるのですが、しっかりと漫画にしている絵もまたすごい。
雪が映画撮影の課題を与えられて何を撮ろうか悩むシーンがあるのですが、1コマだけセリフもなく立ち尽くすシーンがあり、ここがなんとも言えなかった。

漫画を書いている人の見せ方の上手さにも惹きつけられる何かを感じたよ。
「ハイキュー」や「火の丸相撲」の読み切りを読んだときもワクワクしたけど、おんなじレベルでこの作品もワクワクした。

ここから連載作品にするのは難しいかなとは思うけど、できなくはないと思う。
ジャンプ向けじゃないって声も多いけど、個人的にはジャンプで連載してぜひ読みたいなと思った作品だった。

漫画・物語の独特感と名言の数々

レイリー名言

物語の独特感が全体的にあって気がついたら引き込まれてた.
ただ漫画を書く側も、無名の新人ながら主人公の悲壮感をセリフ無しの1コマで表す表現力など目を見張る者があった。

この漫画、僕の心に刺さるような名言がいくつかあった。
一部を紹介しようかと思ったけど、全部紹介する。

ほとんど黒山のセリフなんだけど、まずはじめの方の「お前らこんな時代にこんな学校に何しに来たんだ!?」のセリフのあとの一言

まお前らの学費には感謝してます。ごちそうさん

名言ってか笑っちゃったんだけど、黒山の振り切れてる感にものすごい好感が持てた。
教師なんてこれぐらい振り切れちゃったほうがいいんじゃないかと思ったよ。

雪が黒山から「何しに学校に来た?」と聞かれて、理由が定まらず「変ですよねすいません」と謝ったことに対して、

手前の価値観を他人の物差し図って謝るな

この言葉で「弟子にしてください」と言い出した雪の気持ちがなんかわかった。
黒山の自由な考え方が、人気のブロガーさんたちと似たような考えだなって思った。

小さな映画館で黒山の映画が上映された後、お客さんから黒山への質問で「意味不明な映画」と言われて返した言葉が、

元より人は一人じゃない、だから観客に媚びる必要もない

共感はさせるものではなくすでにあるものです

更に質問者からの「映画とはもっと万人に向けた」に対して、

どうせ私と似た感性の者には必ず届く

理解されたい・共感されたいその想いで自分を誤魔化し始めたら、映画監督に意味はなくなります

黒山が撮った映画いは元カノをメインにして撮影した独りよがり的な感じだったけど、雪はこれにかなり共感してた。
黒山的には万人に受ける映画なんかよりも、自分が撮りたいと思った映画で、自分と同じ感性の人に届けばそれでいいってことだよね。

僕はブログを続けて2ヶ月ぐらいで、1月のPV数は5000程度(12月は8000ぐらいだった)、小さなバズがたまに起きてこれぐらいの感じになってる。
過去の記事を見ればわかるけど、検索エンジンからは見向きもされないような自己満足記事も多い。

収益なんて全然ないけど、こんな自分のブログを見てくれる人はいるし、これからも変えるつもりはないかな。

映画鑑賞後、飲み屋で飲みながら、映画の主演が黒山の元カノで女優ではなく看護師だと知り、驚く雪に対して、

映画にルールはない。その時撮りたいもんを撮るだけだ

世界とは何か自分とは何、オレ達は皆それを探し求めている。お前だけじゃねぇのさ

これもブログでも同じことが言えるよね。
ブログにルールはないし、その時書きたいことを書いて、常に世界とは自分とは何かを探してる。
そう思いながら記事を作っているのは僕だけじゃないはず。

CMの撮影スタジオでプロデューサーをふっ飛ばしてしまい、落ち込んでいる雪に対して、

あそこで思わず手が出ちまう、それがお前という人間だ

自分は何で怒り悲しみ笑うのか、もっと知れ、追求しろ、自分を殺すな、それが映画だ

この言葉で雪はとある映画を撮影し、映画監督としての一歩を踏み出す展開になる。

ここまで全部映画をブログに置き換えれるなと思った。
雑記やアフィリエイトのブログでも必ずそこには書き手の「自分」が現れていて、それがブログなんだと僕は思う。

万人受けするものじゃなく、どこかの誰かにだけに届く作品でいいんじゃないか?

この漫画を見て僕が思ったのは映画や漫画・アニメのような作品も、僕らが定期的に更新しているようなブログも、内容は必ず万人受けする必要はないんじゃないかなと。
ブロガーもクリエイターも自分の作品・記事を多くの人に見てもらいたいって思っているし、常にヒットするようなものを狙って作っていることが多いと思う。

それと同時に「いや、これは受けないだろ」って思いながらも自己満足の作品も作っていると思う。
大事なのはどちらも世の中にさらけ出すことじゃないかな。

全てをさらけ出して、どうしようもない人間だとわかっても、それでもついてきてくれ人を大切にすればいいんじゃないでしょうか?
八方美人な人ほどつまらないものだと思うし、僕はそんな人についていこうとは思いません。

自分を大切にして自己満足の作品を作っていってもいんだよっていうメッセージをこの漫画から僕は受け取りました。
良い作品だと思ったので、みなさんも一度読んでみてね。